【擁壁工事】家を建てる前に行う土地の造成工事の内容・費用を公開!

こんにちは。1.5世帯住宅を建築した。もこぽんたです。

いざ家を建てる際、土地の地盤調査を行い場合によっては地盤改良、土留めが必要になります。

我が家の場合は公道から1メートルくらい高い位置にしており、もともと石垣で土留めがされていました。建築申請を出すときに、市に確認したのですが、現状の石垣だと新築の許可が下りないため新たに土留め工事をしなければならなくなりました。

解体前の石垣

土留めとは、地面に高低差を設けたいときに、土壌が滑り、斜面の崩壊を防ぐためのものです。土留は一般のお家などで用いられるブロックなどを指し、擁壁は本格的で長期的なものを指します。敷地が道路よりも高くなっている場合や隣の敷地と高低差がある場合、地面を平らにする必要があります。これを土留めや擁壁を施工することで解消します。

私の家の設計士は、このぐらいの高さと規模だったらブロックでも十分に強度が確保できるといっていました。コンクリートの擁壁に比べると費用も安くできるそうです。

もこぽんた
もこぽんた

ブロックって家の土留めをできるほど強いものなのかな?

設計士
設計士

ブロックといっても普通のブロック塀ではなく、型枠ブロック(CP)です。

CPは通常のブロックに比べて強度が強いんです。

型枠ブロック(CP)は初めて聞く言葉でした。

土留めはコンクリート擁壁しかないものだと思い込んでいたので、他にもどのような施工方法があるのか気になり調べてみました。

ここでは、住宅土留めの種類を簡単にまとめ、実際に行った土留めの工事の様子費用を公開したいと思います。

住宅土留めの種類

住宅で主に用いられている土留めはブロック、型枠ブロック(CP型枠)、RC擁壁です。それぞれどのような特徴があるのか紹介します。

ブロックとは

高さ2.2mまでの設置が許可されているのが、ブロックです。

ブロックの中に鉄筋を設置し、それをモルタルで固めることによって強度を高めます。

ただ、現実的には、高さ2m以上積むのは、地震や台風などの災害を考えた場合には、倒れてくる危険性があります。

そのため、高さはブロック6段程度に抑え、より厚みがあり、強度が高いブロックを設置し、基礎を頑丈に施工することが推奨されます。

あすなろ外構工事店より引用

外構で塀を造ったり、隣地との境界でフェンスを立てたりするときに多用されています。大きな土圧を受ける住宅の土留めにはあまり向いてなさそうです。ブロックと聞いたらこれしか思い浮かびませんでした。

型枠ブロック(CP型枠)とは

福建住宅株式会社様 施工事例 

CP型枠とは、高さ3m程度まで垂直に施工ができるコンクリートブロックを使った鉄筋コンクリートです。

主に土留めなどに用いられるため、強い圧力を受けても耐えられるように、ブロックの中に鉄筋と生コンクリートを充填します。

鉄筋の大きさもブロックに比べ、サイズの大きいものになります。

コンクリートの充填を、ブロック内にコンクリートが均一になるようにできるため、普通のブロックよりも、強度が高いものということが出来ます。

強度が高いが厚さが薄い作りにすることが出来るため、見た目もスリムな仕上がりにすることが出来ます。

また、垂直に施工することが出来るため、土地の有効面積を確保でき、敷地をより有効活用することが可能になります。

あすなろ外構工事店より引用

ブロックの中に生コンクリートを流し込んで強度を持たせているんですね。高さが3mまで垂直に施工できるそうです。ただのブロックより強度もあるし次で紹介するRC擁壁よりも施工金額は安価です。

RC擁壁とは

「RC擁壁」は、鉄筋コンクリートで作られた擁壁を指します。

地面から垂直に施工が可能なため、土地の有効面積を確保しつつ擁壁工事を行うことができます。

また、見た目がフラットでスッキリとした見た目になりますが、その分施工金額は比較的高くなります。強度が高く、耐久性に優れているのも特徴です。

あすなろ外構工事店より引用

RC擁壁は、型枠、鉄筋を組み上げてそこに生コンクリートを流し込んで造ります。施工金額は高いですが、耐久性に優れいている点が魅力的です。

土留めはなにを選べばいいのか

土留めにはここで紹介したもの以外にも様々な種類があります。調査したところ、宅地(家が建つ箇所の土留め)は、型枠ブロック(CP型枠)かRC擁壁で行われいるものが多いです。基本的には、設計士が土地の高さや規模によって最適なものを提案してくれます。

私の家の設計士は、初め型枠ブロック(CP)で提案してくれました。建築基準的にも問題ありません。型枠ブロックとRC擁壁を比べると、型枠ブロックのほうが施工費用は安いです。「設計強度も問題なくて安価にできるなら絶対このCPでしょ」と決めていました。

ですが、私の父は「やるならRCだぞ」との一点張り。どうも私の父は、以前いちごハウスの建設や駐車場の整備のときにブロックの弱さ(施工業者によって差が出やすい)を痛感していたらしく、土留めはRC擁壁で行うと頭にこびりついている様子です。たしかにRC擁壁は耐久性が高い(実質60年以上)ことと私の父の強い要望で、より強度のあるRC擁壁で工事をすすめることになりました。

RC擁壁の耐用年数について詳しく解説しているサイトがるので気になる方はご覧ください👇

RC擁壁(L型)工事の様子

RC擁壁の工事の様子をご覧ください。今回はL型擁壁と呼ばれ、まず鉄筋コンクリートでベース部分を造り、そこに垂直の鉄筋コンクリートを立てる工法です。断面がL字のように見えます。

石垣の解体

解体前の石垣の様子です。40年以上前に積んだ石らしく、その上に3段のブロックが積んでありました。よく見ると、つなぎの部分に所々ひび割れやクラックが入っていました。やはり、この家を建て替えるタイミングで土留めをやり直してよかったです。

家が建っていた土地を上から見ると、L字に石垣が施されていました。それらをすべて撤去します。高さは道路側が約1.5m、隣地側が約80cmです。

パワーショベルでボリボリと崩していき、たくさんの玉石が出ました。排出された玉石はすべて解体業者が処分しました。4tトラック2杯分です。

昔の人は石を積み上げて土留めをしていたんですね。一つひとつ異なった形状の玉石を上手に組み合わせていく技術と労力には感心します。

石垣は見事に撤去され、きれいに整地されました。以前住んでいた家もきれいに解体されました。

解体工事はこれで終了です。ここまでが解体業者の仕事でした。

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掘方(土を掘る)

ここからは擁壁を造る業者の仕事です。

図面通りに既定の深さまで土を掘削します。レベラーで高さを計測しながら既定の深さ以上に掘らないように慎重に重機で掘り進めます。深く掘りすぎると、地盤が柔らかくなってしまい強度が弱くなってしまいます。

正面の擁壁側です。擁壁高さですが、道路側はベースから1.5m、隣地側はベースから0.8mです。

捨コン打ち

捨コンを打つために砕石(C40-0)を敷きます。厚みは約150㎜で、しっかりと転圧します。

砕石の上に、打ち放し型枠を組み、捨コンを打打設します。この捨コンの上に垂直壁の型枠の位置を墨出ししていきます。また、鉄筋のベースにもなります。

捨コンとは? 土台を作るための土台として犠牲になるコンクリート。メインの強度を求められるような、鉄筋の入るようなコンクリートではなく、そのメインのコンクリートのために犠牲になって、その礎を作るためのコンクリート。そういうような意味合いで、「捨て身・犠牲」になって使われるコンクリートという意味合いだろうと思います。

でんホーム株式会社様
型枠の施工(外側)

捨コンの上に外側の型枠を立てていきます。黒いゴム板みたいなものは「エラス」と呼ばれ、コンクリートの伸縮を吸収してひび割れを防いでくれるものです。

コーナー部分です。一番土の負荷がかかる箇所です。隣地側(写真左側)は道路側よりも浅いことがわかります。

配筋(鉄筋を組む)

図面通りに鉄筋を組み上げます。ベースと立ち上がりをしっかりとつなぎ合わせてL字になるようにします。

縦筋や横筋それぞれ鉄筋の太さの指示が違ったりします。しっかりと図面通りに施工されていました。途中雨が降ったりして、鉄筋がさびてしまっているのですが、あまり強度には問題ないそうです。本当ならば錆はよくないのですが。仕方がありません。

鉄筋のピッチが企画通りになっているか確認しています。業者の方は施工途中の証明写真を残しているようです。

型枠の施工(内側)

内側の型枠を施工します。コンクリートの重みで倒れてこないように、しっかりと梁で固定しています。

上から見るとこんな感じ。幅は200㎜です。

生コン流し

生コン(FC21)を流します。ポンプ車で生コンを打設して、バイブレータで振動を与え気泡等を取り除いていきます。型枠の外側からもプラハンを使用してドンドン叩いて振動を与えていました。この手間の掛けかたで、仕上がりが左右されます。(詳細の写真がありません…)

型枠を外す

一週間ほど養生した後に、型枠を外します。ジャンカもなく、きれいに仕上がっています。

上面から生えている鉄筋は、化粧ブロックを並べる(一丁)ための鉄筋です。その化粧ブロックにフェンスを施工します。当初はブロックを施工する予定はなく、直接擁壁にフェンスを取り付ける予定でしたが、穴をあける(コア抜き)と鉄筋も一緒に切ってしまうことになります。それでは強度が低下してしまうので急きょブロックを一段かますことにしました。

コーナー部分です。角にはぎっしり鉄筋が詰まっております。

透水マット・埋め戻し

透水マットを張り付けて、埋め戻しです。透水マットとは、土に溜まった雨水を逃がして水抜き穴から排出させるためのものです。埋め戻しは、何層かに分けて転圧しながら埋め戻しします。しっかりと転圧してもらいたかったので、ローラー(写真右上)を借りてきてもらいました。本来はプレートで済ますそうです。ただ、もともとの土が粘土質なので結構転圧しても土がぐわぐわでした。

完成

完成しました。ちなみに、写真の左側に写っている擁壁の上に置いてあるものが化粧ブロックです。カタログで選んで、色違いのサンプルを実際に置いて見比べている状態です。

RC擁壁は見ただけで頑丈そうです。家が建ってからでは絶対にやり直せないので、金額高くても耐久性の高いものでやる価値はありそうです。

整地して擁壁工事完了です。この状態でしばらく放置が望ましいですね。雨降って地固まる。次は地盤改良工事が待っています…。

気になる施工金額

擁壁工事の施工金額です。

全長約21m(途中高さは異なる)の合計金額は、

340万円(税抜) でした。

内訳を見ると、鉄筋加工組立費が60万くらいで透水マットが30万。鉄筋はこの頃価格が高騰しているのでなんとなくわかる気がするのですが、透水マットってそんなに高いんですね。

この工事は工務店を通して業者さんにお願いしているので、少し割高になっているかもしれません。

ですが、この先100年と考えてこの品質と安心感なら思ったよりも高くないと感じました。

最後に

こんな感じで建築の様子を紹介していけたらいいと思っています。

質問や疑問や意見ある方は遠慮なくお問い合わせください。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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